フルートの音作り・プログレッシブとインターレース

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フルートで演奏していると練習はしているのに、自分の思った通りの旋律の感じにならないとか、何かか違うけど何かわからない、しっくりこないとかという事が出て来たりします。そんな時には、できるだけ様々な角度の考え方を探して行くと、何か解決するヒントが見つかるかもしれません。

そんな中の一つ、プログレッシブとインターレースを取り上げてみました。

プログレッシブとインターレースとは?

progressive

プログレッシブとインターレースという単語は、音楽の世界の用語ではなく映像の世界の方の用語です。正確な用語の意味を捉えるというよりは、この用語から得たヒントを音に適用したものという風に気楽に捉えてみて下さい。

写真や動画を撮る技術はどんどん進化していて、今ではカメラで動画を撮ることもビデオで写真を撮ることも出来る時代になって来ました。なので一概にどちらが?とは言えずpとiで保存することはどちらでも出来るのですが、あくまでイメージの一つとしての説明となります。

時代が進んでもカメラで写真を撮り、ビデオで動画を撮影するというイメージ

これだけ時代が進んでも、電気屋さんでは未だに別々に並んでいます。綺麗な写真を撮りたいからカメラを買ってきた、というと普通ですが、写真を撮りたいからビデオを買ってきた!というと「何故?」と思うかもしれません。この違和感は最適化と考えてみて下さい。

プログレッシブ方式

動くものを高速で写真を撮って、パラパラ漫画の様に繋げて再生すると動画となっていきますが、プログレッシブでは、画像を繰り出すときに1枚の完全な画像を順番に送り出していきます。そのため一コマ一コマは綺麗ですが、動画としての滑らかさはインターレース再生の方がより肉眼で見るのと近い感じになります。

インターレース方式

インターレースでは、画像を不完全な2枚に分けて順番に繰り出して行きます。より滑らかな動画となって再生されます。一時停止して静止画にした時は、データ量が半分のためブレていてあまり綺麗ではありません。

静止画としてより綺麗、静止画はイマイチだけど動画として綺麗か、という事をよりシンプルに言い換て極論に置き換えるとこうなります。

静止画よりのプログレッシブは単体だと綺麗、逆に単体だと不完全だからこそ動いた時に綺麗なインターレース、という感じです。

音作りをプログレッシブとインターレースに置き換えてみる

音のプログレッシブ

一つ一つ綺麗に丁寧に音を作っていくのがプログレッシブな音作りとなります。一つの音単体でのロングトーンなど、音の個性を際立たせいく感じです。

音のインターレース

フレーズ全体や、繋がっていく次の音の要素を次の音に行く前にもう混ぜて行ったりしていきます。様々な音の集合体やスピードによってどんどん変化します。途中で止めると中途半端な音だったりもします。

フレーズの中での音の変化

全ての音をプログレッシブで演奏すると、はっきりは聞こえるけれど重たい感じであるとか、昔の携帯の着メロのようなカクカクとした演奏になります。

逆に全てがインターレースだと、滑らかではあるが焦点の合わない主張のはっきりしない演奏になったりする場合があります。

プログレッシブな音(単体での響きを重視)、インターレース(音楽の流れを重視)と変化できるようになれば、一つのフレーズの中で変化させて行きます。よりインターレースで吹く部分や、狙った音をプログレッシブに変えて際立たせたりという事をしながら、フレーズのイメージを整えてみて下さい。

まとめ

一つの音の響きに焦点の合っている状態をプログレッシブ、一つ一つの音よりもフレーズの流れで変化させている状態がインターレースという感じです。ロングトーンで一つ一つの音は綺麗なのに曲を吹くと何故かうまくいかないという場合は、インターレース化が足りないのかもしれません。