フルートに付属の掃除棒は、主に2つの方法で使用します。1つ目は、フルートの掃除道具として、市販のガーゼなどを使って、フルートの中の水滴を拭き取る為に使用。2つ目は、音程の調整の為に、頭部管の中にある反射板の位置確認を行う。の2点です。これらについて解説していきます。
1・掃除棒を作る
準備するもの
掃除棒と市販のガーゼを用意します。
このガーゼは薬局等で売っている1m✖️30cmくらいのサイズで、100円くらいのもので大丈夫です。
掃除棒にガーゼを取り付けます
ガーゼを2つ折にして広げます。
片一方の端を掃除棒の穴に通します。
穴から通したガーゼを3cm程出したら、もう片方の端を掃除棒よりも高く持ち上げます。
そのまま掃除棒を持っている指で棒を回転させ、ガーゼを少し巻きます。
上に持ち上げていた方のガーゼを掃除棒の先端が出ないようにしながら、掃除棒の方に折り曲げます。
このように先端をガーゼで覆ってしまいます。
ガーゼで覆った掃除棒の先端を握ってガーゼがばらつかないようにします。
掃除棒を回転させながら、ガーゼを持った手を下に少しずつ下ろしていきガーゼを棒にピッタリと巻き付けていきます。
どんどん巻いていきます。
さらに巻きます。
巻き終わりました。
掃除棒ができたらフルートの中を掃除します
頭部管の中を拭きます。
胴部管を拭きます。この時に首(頭部管をジョイントする側)の方から入れるとスムーズです。
ガーゼがバラついていなければ、反対側から出すことが出来ます。
注)ガーゼが纏まっていないと、途中で引っかかる事がありますので要注意です。
足部管を拭きます。
これでフルートの中の掃除は終わりです。
掃除棒を作るときの注意点
楽器を痛めないようにする為に、注意が必要な点は以下のような場合です。
ガーゼを巻く時に掃除棒の先端が出ている
このようになると、掃除棒の先端が反射板に直接当たって傷がつく場合があります。反射板は、音色に関係する重要な部品ですので傷がつかないように注意する必要があります。
ガーゼがゴワゴワになっている
ガーゼがうまく巻けていない時に、無理矢理フルートの中に入れると、中で引っ掛かって、ガーゼが抜けなくなる事故が発生します。
入りにくい時は、無理矢理入れずに、巻き直しましょう!
ガーゼが取れなくなった時は、自分で無理矢理取らずに楽器店のリペアに出して取ってもらうのが安心です。
巻いてない
これも実際に何度か見たことのある例ですが、ガーゼを巻かずにそのままフルートの中に入れると危険です。
この他にやってはいけないのが、掃除棒をガーゼを巻いたまま胴部管の中に入れて、フルートのハードケースの中に入れる。という例があります。これもケースの中の湿度が保たれず楽器を痛める原因になりますので、入れないようにして下さい。
2・反射板の位置確認
掃除棒のもう一方の端にはメモリラインが付いています。このラインを使って反射板の位置を確認します。
掃除棒のメモリがついている方を頭部管に入れます。
掃除棒を頭部管の中に突き当たるまで入れます。
中に反射板という板が入っていますのでそこで突き当たります。
メモリラインが歌口の穴の丁度真ん中に見えれば、正しい位置です。
メモリの位置が上にずれているとこのように見えます。
反射板が上にずれているため、音程が低くなります。
フルートの頭部管の先端に、ヘッドスクリューという部品が付いていて回転するため、何気なく回してしまうと反射板の位置が先端に向かってずれてしまいます。こうなると音程のバランスが取れなくなり、正しい音程で吹くことが出来なくなります。
これを元の位置に戻す方法は、技術的に難しく専門工具も必要となるため、初心者のうちはやらない方がいいので、この場合は楽器店のリペアで専門家にやってもらうのがベストです。
メモリの位置が下にずれているとこのようになります。
こちらにずれているケースは稀です。
まとめ
フルートの掃除棒を、1・掃除棒として使う、2・反射板の位置確認する道具として使うという基礎的な使い方についての説明でしたが、呼吸によって二酸化炭素と水が形成されますので、吐く息の中に水分が含まれています。そのため練習しているだけでフルートの中に水滴が付いてきます。
長時間練習する方は、できるだけこまめに掃除することをお勧めします。
ヘッドスクリューは、ネジになっていて意外と簡単に回ってしまうことがありますので、回さないように注意してください。音程が悪くなります。合奏の際などにどうも自分だけ音程が合わない、という場合このヘッドスクリューの位置をまず確認するのも大切な作業の一つです。
基本的な使い方は以上になります。その他に、中級以上での特殊な掃除棒の使い方等もあります。